*この記事は理学療法士の方にご提供頂きました。
「食べすぎではないはずなのに太ってきた」
「朝起きたら足がパンパン」
この症状、むくみが原因かもしれません。
「ダイエットしなくちゃ」
「食べるのを控えよう」
この選択をすることでむくみを悪化させることも!
数多くのむくみで悩む女性を改善してきた理学療法士である筆者がむくみの原因と解消法を徹底解説します。
これを読めば「むくみの原因と対処法」がわかります。
「むくみに悩む方を1人でも多く笑顔にしたい」その想いで記載しています。
むくみの原因とメカニズム
むくみと向き合う為には、正しいむくみに対する知識が必要です。
「むくみとは一体何なのか?」
「なぜむくみが起きるのか?」
「対処法は?」
このような疑問にお答えします。
長時間のデスクワークや同一姿勢がむくみの原因に?
むくみの原因の1つに、長時間のデスクワークや同一姿勢を取り続けることがあります。
日常生活では、1日中全く動かないという事はありませんよね?
しかし、1日のうち身体を動かしていない時間がどの程度あるでしょうか。
デスクワークをしている方であれば8時間程度勤務し、睡眠時間を7時間と仮定したら1日のうちの15時間程度はほとんど動いていないということになります。
この時点で「私にあてはまる」と思った方は要注意です。
私達の身体は、絶えることなく血液が身体を回り巡ることで活動を維持しています。
もちろん動いていない時間も血液は循環していますが、循環不良が起こります。
これがむくみの原因です。
女性はむくみやすい
男性に比較して女性はむくみやすいということをご存じでしょうか?
「なぜ、男女で異なるの?」
「なぜ女性はむくみやすいの?」
このような疑問が出てきますよね。
この理由は、筋肉量の差とホルモンバランスにあります。
身体の構造上、女性は男性に比較し筋肉量が少なく脂肪量が多いです。そして、筋肉量に深く関係する因子に男性ホルモンの分泌量があります。
女性にも男性ホルモンはあるのですが、分泌量が少ない為、骨格筋の発達は男性に比較すると顕著にあらわれることはありません。
実は、筋肉量とむくみは相関性が高く、筋肉量が少なければむくみやすいというのは多くの研究で明らかとなっています。
女性は男性と比較すると筋肉量が少ない為むくみやすいのです。
むくみを放置しておくと大変危険!正しくむくみを理解する
では「むくみを放置するとどうなってしまうの?」という疑問ですが、結論から言うと、放置して自然と改善されるケースはほとんどありません。
その理由を解説します。
代謝が悪くなる
むくみを放置すると、身体の血流循環はさらに悪くなります。
すると、代謝が悪くなり、さらにむくみを解消しにくい身体へと変えてしまうのです。
つまり、むくみを解消する上で代謝をあげていくことは大変重要であるということです。
「代謝」と聞くとどのようなことを思い浮かべますか?
多くの方は、「汗を多くかけば代謝が上がる」、「ダイエットやエクササイズをやる上でよく聞くことば」という認識をしているでしょう。この認識は誤ってはいませんが、代謝の重要性をさらに掘り下げる必要性があります。
代謝は「生きる上でなくてはならないもの」、「代謝が悪くなると身体に悪影響である」という認識をしてください。
むくみを改善する上で代謝に関する知識は必須です。
体重が急激に増加してしまう
むくみと体重増加は深い関連性がありますが、原因が異なるため捉え違いをしてはなりません。
体重増加は、病的なものを除き自身の基礎代謝を超えて摂取カロリーが多くなることで起こります。
対して、むくみは血流循環不良によって余分な水分が排泄されない為、太ったようにみえる体重増加としてあらわれます。
その為、「体重が急に増えたからダイエットしなくちゃ」という考えが正しいとは限らないということです。
むくみと体重増加を混合してはならない
もし、むくみによる見せかけの体重増加であった場合、食事を摂取しないことでさらに代謝が落ち、むくみが進行します。
「では、どうやって見分ければいいの?」という疑問がでますよね。
「食べすぎによる体重増加であるのかむくみなのか」
ここを捉え違えないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。
それは「生活習慣をコントロールする」という事です。
1日のうちに活動時間がどの程度あるのか、摂取カロリーと消費カロリーはどの程度であるのか把握することで間違えることがなくなります。
現在、体重計でも簡単に基礎代謝量を計測できます。また、同年代同性の基礎代謝量を調べて大きく相違がないかどうかを調べてみるのも良いでしょう。
むくみと体重増加を混合しない為に、簡単なむくみの見分け方をご紹介します。
簡単むくみチェック!
②指をはなす
③押した部分にくぼみができていたらむくみ
④なかった場合は位置を変えて押してみる
足の甲でも同様に行う
上記に該当した場合は、むくみである可能性が非常に高いです。
軽度なむくみである場合は、くぼみが出現しない場合もあります。
正しいむくみの解消法は?
「むくみの原因は分かったけど対策を知りたい」
「どうやったら改善出来るの?」
最も気になるこの疑問に具体的な方法と合わせて分かりやすくご紹介します。
程度な運動でむくみを解消
むくみと代謝が密接な関係性であることをお話ししました。
では、具体的にどのような運動を取り入れれば改善が期待できるのでしょうか。
「あまり運動はしたくない」
「簡単なのであればやりたい」
このような意見が多いのも踏まえた上で簡単なトレーニングをご紹介しますので安心してください。
むくみ改善のためのトレーニングは至ってシンプルです。
足のむくみのトレーニング
トレーニング法①撫でる
むくんでいる部位から骨盤に向かって撫でる。
(ふくらはぎがむくんでいるのであれば、太ももに向かって撫でます)
あくまで、撫でる位の強さです。力をいれすぎないようにしてください。
可能であれば、足を挙げた状態で行います。(壁に軸にするなど)
トレーニング法②ストレッチ
立った状態で壁に手をつけて「背伸び→戻す」を繰り返します。
速度に正解はありません。無理のない速度で行ってください。
慣れてきたら片足を浮かせて同様のことを行ってみましょう。
足のむくみに対するトレーニングは以上です。簡単ですよね?
大切なことは、いかに継続できるかです。
もし、継続が苦手な方はよく見る部分に日課としてやることと記載した紙を貼り付けておくなどすると良いでしょう。
なお、入浴後や外出から帰宅した際など血流循環が良くなっている際に行うとより効果的です。
顔のむくみのトレーニング
足のむくみに対するトレーニング方法と同様にとっても簡単なので是非、実践してみてください。
トレーニング法①「あいうえお体操」
顔のむくみも血流循環を良くする,つまり動かしてあげることで改善が期待できます。
少し派手に「あいうえお」と口を動かしてみましょう。発声する必要はありません。
無理のない範囲で繰り返します。
寝起きや入浴後、就寝前に行うと効果的です。
最初のうちは「あいうえお」のサイクルを3セット程度行います。
慣れてきたら、回数を増やしていきます。
顔の筋肉(表情筋)を鍛え、むくみを改善する画期的な方法ですが、やりすぎると筋肉痛が生じる場合がありますので無理なく行うことが大切です。
トレーニング法②表情筋マッサージ
顔の筋肉をマッサージすることで血流循環を良くします。
親指以外の4本の指をフェイスラインに沿う形であて、口元から耳の後ろを通るように撫でます。
そのまま鎖骨の付け根(肩の最も外側)に向かって流すイメージです。
あくまで、目的は顔に溜まった余分な水分を流すことですので軽く触れる程度の強さで行うのがベストです。
むくみの改善以外にもリフトアップとしても効果が期待できるトレーニング方法です。
このトレーニングも入浴後・就寝前がベストです。
大切な肌に触れますので清潔な手で触るようにしてくださいね。
食べ物でむくみを解消
むくみの改善として運動を取り入れる以外に食生活から改善、つまり身体の内部から改善する方法もあります。食事は身体を作る源ですので重要項目の1つです。
この方法も取り入れてむくみのない生活を手にしましょう。
長いも
長いもといえばシャキシャキ・ネバネバという食感が魅力的の食材ですが、むくみの改善とどのような関連性があるのでしょうか。
それは、長芋に含まれる「ムチン」という成分に秘密があります。
ムチンを簡単にいうと、納豆やツルムラサキなどに含まれるネバネバ成分です。
このムチンには、細胞を活性化・消化を促す作用があります。
人体は無数の細胞から出来ていますので、活性化することで血液循環が良好になる・不要物を体外に排出する作用が強くなります。それがむくみの改善に期待できるということです。
現在、便秘や肌荒れなどお悩みの方もムチンを摂取することで改善が期待できます。
きのこ
鍋や炒め物などに大変重宝されるきのこですが、むくみの改善が期待できる食材であることをご存じでしたでしょうか。
きのこは食物繊維・ミネラル・ビタミンが豊富な食材として大変有名ですが、これらの成分に秘密があります。
食物繊維が便秘の解消に効果的であるということはご存じの方も多いかと思いますが、不要物の排泄・脂肪の吸収を抑える作用も兼ね合わせているのです。
その為、身体に溜まった余分な水分(むくみ)を体外へ排出してくれます。
また、ミネラルやビタミンは美容効果も期待できることで多くの女性から高い支持を集めています。
ほうれん草
鍋やスープ・おひたしなどに用いられることの多いほうれん草ですが、むくみの改善に有用な効果を発揮します。
ほうれん草は低カロリーなのに栄養価が高い食材として女性に大人気の食材です。
含まれる成分は豊富でビタミン類・カルシウム・鉄・カリウムをはじめとして豊富なミネラル各種が含まれています。
特に注目したいのがカリウムです。
近年の研究で、カリウムは塩分調整に働き、血圧の上昇を抑えるとの見解が示されています。
その他、カリウムには不要物を体外へ排出する作用を持つことからむくみの改善に大きく貢献する作用をもちます。
まとめ
むくみを改善する為には、まずむくみの原因を正しく理解することです。
本当にむくみなのか、エネルギーを摂取しすぎたことによる体重増加なのかは良く勘違いされるポイントですので正しく判別しなくてはなりません。
その上でむくみの改善に効果的な簡単トレーニング・有用な食材を用いた食生活を送っていくことが改善の近道です。
むくみの原因には、病的なものもありますが今回は記載していません。
もし、むくみの改善法を実施しても効果が出ない場合、過度なむくみを生じている場合は病院を受診してください。
むくみでお悩みの方の役に少しでも立つことが出来ていれば幸いです。