*この記事は理学療法士の方が書きました。
ビタミンB群を正しく摂取することによってむくみの改善が期待できます。
そのためには、食生活を見直し、栄養素に関する知識の習得が必要です。

栄養素とむくみの関係性に詳しい私がビタミンB群の取り方のコツとむくみとの関係性を解説します。

前回はビタミンEでしたね。今回はビタミンB群。
ビタミンって種類が多いですよね。
・ビタミンB群とむくみの関係性が分かる
・ビタミンB群の不足と過剰摂取で出てくる症状が分かる
・ビタミンB群が豊富に含まれている食材が分かる
・食材からむくみの改善が期待できる
ビタミンB群とむくみの関係性
ビタミンB群とむくみは密接な関係性があります。
それは、ビタミンB群がもつ老廃物を除去する作用・代謝機能に秘密があります。
のちほど詳しく解説します。
むくみとは、体内に必要な水分以外の水のことをいい、その不要な水は身体にとって老廃物となります。
必要性のない水(むくみとなる老廃物)は大きく分けて3つの原因から生じます。
①血液の流れが悪くなることによって生まれる場合
②体内の栄養バランスが崩れて起こる場合
③病気によっておこるもの
中でも、栄養素のバランスが崩れることによって生じるむくみは生活習慣を見直すことによって最も改善が期待できるものです。
特にビタミンB群の摂取をコントロールすることは、むくみの改善が期待できるだけでなく、
・ダイエットやお肌の調子を整える
・便秘解消なども期待できる
ことから現在むくみに関する悩みを抱えている女性にぜひとも知っていただきたいです。
そもそもビタミンB群とは?

ビタミンB群の主な効果を述べましたが、もう少し詳しくみていきましょう。
ビタミンB群は8種類あります。
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・葉酸
・ビオチン
・ナイアシン
・パントテンサン
そしてビタミンは水溶性と脂溶性に分類され、これらB群は水溶性であるため不要な分は尿と共に排出されます。そのため、毎日継続して摂取しなくてはいけない成分のうちの1つです。
さきほど、ビタミンB群の主な作用として老廃物を除去する作用・代謝機能をあげました。
どちらもむくみの改善に必要な働きなのですが、代謝機能の意味をもう少し掘り下げることでより理解が深くなりますのでご説明致します。
分かりやすい例を挙げると、肌のターンオーバーです。
そのためには代謝機能が欠かせません。
そして、ターンオーバーに必要な成分はたんぱく質や糖質、ミネラル成分など他の成分も必要です。
そこで活躍するのがビタミンBの持つ代謝機能です。
これらの他の成分が正しく吸収され適切なタイミングで新たな肌として生まれ変わる代謝のサポート・促進をしているのです。
簡単に言うと、ビタミンBがなければ代謝がなされず、ターンオーバーはできません。

先ほど8種類をご紹介しましたが、基本的にはビタミンB群としてひとくくりで表記されていることが多いため、あまり深く考えずに「ビタミンB群は複数の種類がある」ということだけ覚えて頂けたらと思います。
ビタミンB群の摂取基準量
ここで気になるのが「ビタミンB群をどのくらい摂取すればよいのか」ということですよね。
性別・年齢によって摂取したい基準量が異なりますので、現在のあなたを中心にみてください。
ビタミンB6の1日の摂取基準値(単位:mg/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||
年齢等 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
0〜5ヶ月 | ー | ー | ー | ー |
6〜11ヶ月 | ー | ー | ー | ー |
1〜2歳 | 0.5 | 10 | 0.5 | 10 |
3〜5歳 | 0.6 | 15 | 0.6 | 15 |
6〜7歳 | 0.8 | 20 | 0.7 | 20 |
8〜9歳 | 0.9 | 25 | 0.9 | 25 |
10〜11歳 | 1.2 | 30 | 1.2 | 30 |
12〜14歳 | 1.4 | 40 | 1.3 | 40 |
15〜17歳 | 1.5 | 50 | 1.3 | 45 |
18〜29歳 | 1.4 | 55 | 1.2 | 45 |
30〜49歳 | 1.4 | 60 | 1.2 | 45 |
50〜69歳 | 1.4 | 55 | 1.2 | 45 |
70歳以上 | 1.4 | 50 | 1.2 | 40 |
妊婦 | 0.2 | ー | ||
授乳婦 | 0.3 | ー |
【参考文献:公益財団法人長寿科学振興財団】
上記の図は、ビタミンB6の摂取基準量を示したものです。
あくまで基準値であるため、この量を取らなければ健康に害を及ぼすことを証明するものではありません。「健康に生活を送るためにこのくらいは取っておきたい」という基準値です。
ビタミンB12の1日の摂取基準値(単位:mg/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
0〜5ヶ月 | ー | ー | ー | ー |
6〜11ヶ月 | ー | ー | ー | ー |
1〜2歳 | 0.7 | 0.9 | 0.7 | 0.9 |
3〜5歳 | 0.8 | 1 | 0.8 | 1 |
6〜7歳 | 1 | 1.3 | 1 | 1.3 |
8〜9歳 | 1.2 | 1.5 | 1.2 | 1.5 |
10〜11歳 | 1.5 | 1.8 | 1.5 | 1.8 |
12〜14歳 | 1.9 | 2.3 | 1.9 | 2.3 |
15〜17歳 | 2.1 | 2.5 | 2.1 | 2.5 |
18〜29歳 | 2 | 2.4 | 2 | 2.4 |
30〜49歳 | 2 | 2.4 | 2 | 2.4 |
50〜69歳 | 2 | 2.4 | 2 | 2.4 |
70歳以上 | 2 | 2.4 | 2 | 2.4 |
妊婦 | 0.3 | 0.4 | ||
授乳婦 | 0.7 | 0.8 |
【参考文献:公益財団法人長寿科学振興財団】
上記図は、ビタミンB12の摂取基準量を示した図です。
ビタミンB群は8種類ありますが、それぞれの基準値を把握するのは難しいので、中でも代表的なB6と12を基準としてください。
ビタミンB群が不足すると?摂取しすぎると?
特にビタミンB12は、血液をつくる赤血球や酸素を運ぶ働きをしているため、不足すると疲労感や無気力感を感じることもあるでしょう。
また、ビタミンB1が不足すると肌の代謝機能が損なわれ肌荒れの原因を作ってしまいます。
その他ビタミンB群も働きは運搬や代謝であるため同様の症状が起こる可能性が高くなるので意識して摂取するよう心掛けてください。
・疲労感や肌荒れ
・視界がぼやける
・やる気がなくなる

対してビタミンB群を摂取しすぎてしまっても身体に悪影響を与えます。
現在、特に過剰摂取に対しての副作用が確認されているのは以下の4つの成分です。
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・葉酸
・ナイアシン
ビタミンB2の副作用はかゆみや湿疹、ビタミンB6の副作用は1日500mg摂取し続けた場合で感覚異常や腎臓結石などです。
葉酸の取りすぎは、発熱や発疹・じんましんが確認されており、ナイアシンの過剰摂取は便秘や下痢などの症状を引き起こすことがあります。

ビタミンB群は肌のターンオーバーを促してくれるのに、
取りすぎると肌に異常が出やすくなるのですね!
ただ、ビタミンB群は水溶性ビタミンであるため基本的には尿中に排出されますので、過剰摂取したとしても一時的なものであればこのような症状が起こることはほとんどないと考えてください。
ビタミンB群が豊富な食材とは?
ここからは、ビタミンB群が豊富に含まれる食材を紹介します。
摂取基準量に占める割合も記載しますので、あなたの現在の食生活でビタミンB群がどれほど摂取できているかどうか参考にしていただければと思います。
刺身
あまり知られてはいませんが、刺身にはビタミンB群が豊富に含まれています。
特に、マグロやカツオは100gあたり約0.76~0.85mgも取ることができます。
豚ヒレ肉やささみなどコレステロールの低い肉類
コレステロールの低い肉類にもビタミンB群が豊富に含まれています。
特に、豚ヒレ肉はビタミンB1・B6の含有量が多く疲労回復の効果も期待できる食材のうちの1つです。
豚ヒレ肉には100gあたり1.32mg、ささみには100gあたり0.6mgほどのビタミンB群が含まれています。
コレステロールの低い肉類は、ダイエット中の方やトレーニングで身体を絞りたい方にもおすすめです。
牡蠣やあさりなどの貝類
牡蠣やあさりに多く含まれているのはビタミンB12です。
中でも牡蠣は100gあたり28.1gと非常に栄養価の高い食材として知られています。
ただ、これらの食材は食あたりを起こす方もいらっしゃいますので、よく火を通してから召し上がってくださいね。
食材以外でビタミンB群を摂取する方法
ビタミンB群を豊富に含む食材をお伝えしましたが、食事以外からでも摂取することが可能です。
食事から摂取するのが最も好ましいのですが、ライフスタイルが一定ではなくて食事にこだわることができない方もいらっしゃいますよね?
その方に向けてビタミンB群を摂取することのできるサプリメントと栄養ドリンクの選び方をお伝えします。
サプリメントを使用して不足分を補う
サプリメントの使用を検討しているのであれば、ぜひ確認してほしいポイントがあります。
・添加物は入っていないか
・原材料は天然由来であるか
・毎日でも継続することのできる値段か
大切なのはこの3つです。
繰り返しになりますが、ビタミンB群は水溶性のビタミンであるため余分に摂取しても尿中に排出されます。
そのため、毎日摂取しなければならないため、出来るだけ良いものをお手頃価格で手に入れたいですよね?
サプリメント類に共通することなのですが、値段の相場がわかりにくいので、判断のポイントに迷ってしまいがちです。
迷わずに良い商品を手に入れるコツは、天然由来の成分・無添加のものを選ぶということです。
この点に注意すれば、内容成分の理解がなくても質の良い商品を選ぶことが出来ますのでぜひチェックしてくださいね。

上記を踏まえたうえで私がおすすめする商品はこちらです。
Mason Vitamins(メイソン ビタミンズ)ビタミンB1
大塚製薬 ネイチャーメイド ビタミンB1
この2つの商品は1,000円以内で購入できますし、内容成分もよいので継続して飲みやすいかと思います。
栄養ドリンクで補給する
市販で売られている栄養素リンクにはすべてビタミンB群が含まれていますので、どれを購入しても良いのですが、目的によって飲む栄養ドリンクを変えたほうが良いです。
基本的に、栄養ドリンクは症状が出た際に飲むというのが正しい飲み方なので、疲労を感じているのであれば、ビタミンB群が多く含まれている栄養ドリンクを飲むとよいでしょう。
ただ、飲めばのむほど効果があがるものではありませんので、用量を守ってくださいね。
まとめ
ビタミンB群は水溶性のビタミンであるため、毎日しっかりと補給してあげる必要があります。
そのため、食事から栄養を吸収出来ていない際はサプリメントや状況に応じて栄養ドリンクを利用するのが効果的です。
他の栄養素をどんなに摂取していても、ビタミンB群が不足していれば十分に体内に吸収することができないほど大切な栄養素ですので、ぜひとも意識して取ってくださいね。