*この記事は理学療法士の方にご提供頂きました。
むくみを改善するためには、効率よく必要な栄養素を摂取する必要性があります。
中でもビタミンEを多く含む食材を豊富に取り入れることで改善が期待できます。

むくみと栄養素の関係性を研究し続けている筆者が、むくみの改善に効果的なおすすめの食材をお伝えします。今回はビタミンEです。
・ビタミンEとむくみの関係性が分かる
・ビタミンEが豊富に含まれている食材が分かる
・食材からむくみの改善が期待できる
ビタミンEはむくみの改善に期待できる
むくみを改善する為にはビタミンEを効率よく摂取する必要があります。
しかしながら、ビタミンEの性質や身体に与える影響を正しく理解している方は多くありません。
まずはビタミンEのはたらきを理解し、むくみの改善にどう役立つのかを知りましょう。
むくみでお悩みのあなたにぜひ読んでいただきたい内容となっています。
ビタミンEとは?
ビタミンEとは、抗酸化作用を持つビタミンの1つです。
普段あまり意識することはありませんが、体内では常にエネルギーや細胞が産生されています。
目に見える現象ではないため非常に分かりにくいのですが、例えば運動をした際、筋肉を使いエネルギーを消費しますよね。
この時、体内では運動によって傷ついた筋肉を修復しようと数多くの細胞が働き状態を整えます。
また、体内を酸化させる原因である活性酵素を生み出します。
この活性酵素の発生を抑えてくれるのがビタミンEの役割です。
簡単にいうと、体内の酸化を防いで若々しい身体をキープさせる働きをもちます。
また、ビタミンEは美容を保つ秘訣としても重宝される成分の1つで、生活習慣病の予防や血流を改善させる作用もします。
つまり、むくみの原因の1つである血流循環不良を改善する効果が期待できるという事です。
・体内の酸化を防いでくれる
・生活習慣病を予防してくれる
・血流の循環不良を改善してくれる
ビタミンEの摂取基準量
ビタミンEの1日の摂取基準値(単位:㎎/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||
年齢等 | 目安量 | 耐容上限量 | 目安量 | 耐容上限量 |
0〜5ヶ月 | 3 | ー | 3 | ー |
6〜11ヶ月 | 4 | ー | 4 | ー |
1〜2歳 | 3.5 | 150 | 3.5 | 150 |
3〜5歳 | 4.5 | 200 | 4.5 | 200 |
6〜7歳 | 5 | 300 | 5 | 300 |
8〜9歳 | 5.5 | 350 | 5.5 | 350 |
10〜11歳 | 5.5 | 450 | 5.5 | 450 |
12〜14歳 | 7.5 | 650 | 6 | 600 |
15〜17歳 | 7.5 | 750 | 6 | 650 |
18〜29歳 | 6.5 | 800 | 6 | 650 |
30〜49歳 | 6.5 | 900 | 6 | 700 |
50〜69歳 | 6.5 | 850 | 6 | 700 |
70歳以上 | 6.5 | 750 | 6 | 650 |
妊婦 | 6.5 | ー | ||
授乳婦 | 7 | ー |
(公益財団法人長寿科学振興財団 参照)
上記図は、ビタミンEの摂取基準値をあらわしています。
目安量は1日に摂取したい量を示し、耐用上限量は健康障害を発生させる恐れのある量をあらわしています。
女性の中でも、授乳婦・妊婦の方はビタミンEの必要量が最も高くなっています。

ん??『健康障害を発生させる恐れのある量』!?
なんだか気になることが書いてありますね。

ビタミンEを取りすぎると体に悪影響があります。
次はそのことについてお話します。
ビタミンEが不足すると?摂取しすぎると?
ビタミンEの主な働きは活性酵素を防ぐことであると述べました。
つまり、ビタミンEが不足すると活性酵素が増え、体内で悪さをするということです。
具体的に述べると、活性酵素が増えることで細胞膜を破壊し、酸素や二酸化炭素を運ぶことが出来なくなってしまうのです。
血液の産生・循環には酸素が必要ですから、この機能が阻害されると貧血を起こす原因となります。
ビタミンEが不足することによって起こる貧血をビタミンE欠乏症と呼び、決して珍しい病気ではありません。
加えて、血行障害が起こり身体の冷えや脱毛・無気力感などの症状があらわれる可能性もあるため、摂取基準量の理解をして未然に防ぎたいですね。
対して、ビタミンEを摂取しすぎて起こる問題には肝機能の低下・血液が固まりにくくなるなどがあります。
ビタミンEはビタミンの中でも脂溶性に分類され、肝臓で分解されることによって吸収します。
摂取しすぎてしまうと分解の過程で肝臓へ負担をかけてしまうため肝機能障害が起こりやすくなります。
また、血液が固まりにくくなる成分であるともいわれていますので注意が必要です。
そして最も注意したいのが骨粗しょう症です。
本来、マグネシウムやカリウム・カルシウムなどのミネラル成分が不足することにより起こるのですが、ビタミンEの過剰摂取により骨を壊す細胞が強く働き骨粗しょう症になるリスクが増大するのでないかとの研究報告も出ています。

ビタミンEの不足も過剰摂取も身体にとっては有害であることから、
適切な量を摂取していきたいですね。
・ビタミンE欠乏症(貧血)になりやすくなる
・血行障害が起きる可能性があるビタミンEを摂取しすぎると…
・肝機能障害が起こりやすくなる
・血液がかたまりにくくなる
・骨粗しょう症のリスクが増える
ビタミンEは女性の味方
ビタミンEは、肌に潤いをあたえ、ターンオーバーを促す作用があるとされています。
ターンオーバーとは、肌の細胞を整え新たに生成することを指しますがビタミンEの抗酸化作用によって不要物を排泄することから、肌荒れの改善や便秘の改善にも効果が期待できます。
サプリメントも豊富
近年、ビタミンEやCを中心としたビタミンサプリメントがドラッグストアに置かれているのを目にする機会が増えました。
美容雑誌を読んでみても、肌トラブル改善を目的としたビタミンサプリメントや美容モデルが愛用しているサプリメントが紹介されています。
ビタミンEは日本人が不足しやすい栄養素の1つですので、サプリメントを取り入れるなどして不足分を補うといった方法もおすすめです。
化粧水や保湿クリームにも配合されている
ビタミンEの美容への効果が高く評価され、様々な肌ケア商品にも配合されています。
化粧水など肌に浸透しやすいものを用いて、身体外部からビタミンを摂取するもの大変効果的です。
また、ビタミンEには紫外線を吸収する作用もあることから日焼け止めクリームなどにも配合されています。
むくみや便秘の改善が期待できるだけでなく、外部から取り入れることで美容効果も期待できるとなると積極的に取り入れていきたいですよね。
ビタミンEが豊富に含まれる食材

ここではビタミンEが豊富に含まれる食材を紹介しますよ。

どれもスーパーで売っていますね。
私はあの食材が意外でした!
アーモンド
美容への関心が高い方であればアーモンドの絶大なる効果をご存じでしょう!
アーモンドに含まれるビタミンEの含有量は100gあたり30mg以上あります。
ビタミンが豊富であるとされているピーナッツの約3倍のビタミンEが含まれています。
「でもカロリーが気になる」という女性の方も多いことでしょう。
確かに食べすぎは太る原因となってしまいますが、食物繊維も豊富に含まれていることから便秘の改善も期待できる優れものです。
さらに、ミネラル成分も豊富であることからむくみの改善が期待できます。
たらこをはじめとする魚介類
白飯のお供に最適なたらこはビタミンEが豊富に含まれる食材として有名です。
魚介類の多くは豊富なビタミンEを含みますが、その中でも突出している食材がたらこなのです。
たらこを使った料理といえばパスタを思い浮かべる方も多いでしょうが、むくみの改善に効果が高い料理としてサラダに混ぜても美味しく摂取できますよ!
アボカド
アボカドは夏バテ防止や老化防止に効果的な食材として知られており、好きな方も多いのではないでしょうか。
そんなアボカドですが、ビタミンEを豊富に含んでおり、1個で1日に必要なビタミンEの3/4が摂取できる優れものですので、色々な使い方を知って食生活に取り入れていきたいですね。
特にアボカドとトマトは相性抜群です!!
トマトに含まれるリコピンには風邪を予防する効果があり、アボカドと組み合わせることでさらに効果を発揮します。
カボチャ
カボチャの栄養価の高さは野菜の中でもトップクラスです。
ビタミンEだけでなくビタミンAやビタミンCも豊富に含まれており、生活習慣病を防ぐ野菜として知られています。
まとめ
ビタミンEは身体にとって必要な栄養素の1つで、活性酵素を除去する働きをもつことから、むくみ・便秘の改善・美容効果が期待できます。
多くの方は1日の摂取基準量を取れておらず、ビタミンEが不足している現状ですが、食生活に目を向けることで簡単に対策が出来ます。
ビタミンEを豊富に含むアーモンド・たらこ・アボカド・かぼちゃなどを用いた簡単調理で健康的な身体を目指しましょう!
かといって過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼす可能性もありますので適量を心がけてくださいね。
筆者自身、むくみに悩む時期がありましたが、生活習慣の改善や食事に対する意識を変えた結果、むくみに悩まされることが無くなりました。
むくみは必要な栄養素を正しく摂取することで改善が期待できます。
身体を作る基となる食材をぜひお試しください。